DVD「寝ずの番」(asin:B000GPP3AQ)

津川雅彦、初監督作品。これは大傑作。原作は中島らも
笑福亭松鶴の一門をモデルとして、次々と亡くなっていく、笑鶴(長門裕之)と「一番弟子」、そして「あーちゃん」(富司純子)の、3人の通夜の晩ばかりを延々と移した映画。
噺家の通夜は、「陽気で大騒ぎ」と相場が決まっているものだが、この映画ではその限度を越している。中島らも、こんな作品書いてたんだ。筒井康隆なみの毒毒話。


まずは、笑鶴の通夜では、落語の「らくだ」そのままの、死人の「かんかん踊り」を踊りまくる。
「一番弟子」の通夜では、軽い人情話。高岡早紀が、すごくエロイ女の役で出ていて驚いた。


クライマックスの「あーちゃん」の通夜では、芸者だった彼女が得意だった、エロ小唄を、全員で歌いまくる。いやー、すばらしく粋な世界。見ながら痺れました。
役者たちの三味線の演奏や、小唄も見事で、和風ミュージカルと言ってもいいほど。


ちなみに、一番驚いたのだが、エビスさんが、「あーちゃんの親戚」として登場し、ちゃんと演技していること。エビスさん、演技できるんだね!!
それと、中井貴一が、すごくいい声していた。日本映画の全盛の時代だったら、こういうスターは絶対、「俳優&歌手」になってるのにねえ・・。なんか、もったいない。