小林信彦「映画×東京とっておき雑学ノート」(文藝春秋 ISBN:4163701303)

図書館本、読了。週刊文春の連載「本音を申せば」の2007年版。しかし、この題名は何とかならないものか・・。編集者がつけているのだろうが。


以下、メモ。

  • 「天国からのチャンピオン」の「死人が他人の体に入る」アイディアの元ネタは、1941年の「幽霊紐育を行く」。ハリー・シーガルの原作がアカデミー原作賞を受賞。
  • 映画「風と共に去りぬ」を、シンガポール小津安二郎徳川夢声が見たのは有名だが、東京にフィルムを持ち込んで、ひそかに「軍関係者のみの上映会」もあったらしい。なお、東大でも上映会があったそうで、江崎玲於奈は東大在学中に見たという。
  • 伊集院光のラジオ番組を誉めているが、その番組は今年の3月で終了したそうだ。
  • 1933年のプレストン・スタージェス脚本の映画「力と栄光」(権力と栄光)は、ナラタージュという「主人公の心の声が聞こえてくる」手法を用い、「市民ケーン」の先駆となった。
  • 日活アクションの名脚本家(「野獣の青春」「殺人狂時代」)の山崎忠昭は、のちに「ムーミン」を雪室俊一らと一緒に作ったが、「スナフキンらの性格」等あのアニメ独自のキャラ設定は、主に山崎の着想によるものだという。