図書館本、読了。
著者は高校時代に淀川さんにお願いして、自分の高校(都立上野高校)に講演に来てもらい、それがのちに有名な「東京映画友の会」になったという人。かつ、その後「映画の友」編集部に入り、17年間、淀川さんの部下だった、まあ「弟子」みたいな人。
淀川さんのエピソードでは・・。
- 小津安二郎については、その独特の演出作法が肌にあわず、まったく評価していなかった[5]。
- スティーブン・スピルーバーグについては「いいのは『激突』『続・激突』だけ。『ジョーズ』以降は商業主義に流されて堕落する一方だった。」と酷評していた。
- オリヴァー・ストーンはその「演出のアクの強さ」を嫌いまったく認めなかった。
あと、この著者の人はスポーツが好きだったようで、「映画の友」編集部時代に立教4年の長島茂雄を登場させている。
- そのインタビューでは「最近見た映画」として、エリア・カザン監督の『群集の中の一つの顔』、ロベール・ブレッソン監督の『抵抗』などをあげた。特に『抵抗』は心理描写に徹した異色作で「スポーツ選手がこんな映画を選ぶとは。」と淀川を驚かせた。なお映画の好みについては「甘ったるい映画は、ちょうどアウトコース低めにくるボールと同じで、僕は苦手なんですよ。性分にあわない。」と語っていた。