図書館本、読了。
アンツル本をそんなに読んでいる私ではないのだが・・、あまり目新しい内容ではなかった。
三代目桂三木助の未亡人がまだご存命なのに驚いたのと・・。それと、アンツル関係の資料がなんと「さいたま文学館」に所蔵されているという事実に驚愕。
後者は、戦争中に妻の実家に3年だけ疎開していた縁で、桶川市の「桶川市立図書館」に寄贈され、そこから「さいたま文学館」(この館もなぜか、埼玉県桶川市にある)移ったものらしい。しかし、「東京っ子」の代表のような人の資料が「さいたま文学館」ねえ・・・。
それと大友浩が「古典落語」という言葉は安藤の造語ではない、という説を紹介していた。
それは、山本進の説らしいのだが。昭和23年の「第四次落語研究会」のパンフレットに今村信雄が書いたのが初出ではないかという(安藤が始めて用いたのは昭和29年のNHKの番組名「古典落語の夕べ」)。
アンツルの文章以外は以下が収録
- 渡辺保「劇評家安藤鶴夫の「私」」
- 荒俣宏「アンツルの声」
- 鴨下信一「下町言葉と鯛焼のしっぽ」
- 坂崎重盛「荘八の安鶴 「落語鑑賞」を中心に」
- 山川静夫「あんつるさんと義太夫」
- 安藤はる子「特別インタビュー:安藤鶴夫の娘という使命」
- 久保田万太郎「序と紹介」
- 大仏次郎「安鶴さんと「苦楽」」
- 金子桂三「安藤鶴夫先生の思い出」
- 中村梅之助「前進座「巷談本牧亭」の思い出」
- 津上忠「「巷談本牧亭」劇化と安藤さんの思い出」
- 小林仲子(三木助未亡人)×吉川潮:対談
- 戸板康二「安藤鶴夫の感動」
- フランク永井「わが座右の名放送 安藤先生のラジオエッセイ」
- 江国滋「寄席紳士録」解説
- 吉川潮「安藤鶴夫と私」
- 矢野誠一「安藤鶴夫の毀誉褒貶」
- 森まゆみ「明治の子 安藤鶴夫と岡本文弥」
- 大友浩「ホール落語と安藤鶴夫」
- 高田文夫「江戸っ子は大変だ」
- 立川談春「生きていくということの、あわれ」