小谷野敦「美人好きは罪悪か？」（ちくま新書）

図書館本、読了。
猫猫先生のいつものスタイルの、「お題」（今回は美人論）を決めておいて、それに関連する、自身の「世間の常識」に反対する独自の論の展開や、他の論者への攻撃などがまざった本。元が雑誌の連載なので、話題が飛び飛びだが、猫猫節は健在なり。

• 「美人論」一般について
• 「ロリコン」論／「ラブドール」論
• 髪型とヌードの関係
  • 浮世絵の「美人」は美人に見えない
• 谷崎潤一郎の描く美人
  • 「春琴抄」批判と、その映画化への批判
• 美人の人生
  • 山崎朋子、犬養道子、諏訪根自子
• ヌードとモデル
  • 画家・森本草介とそのモデルについて
• 歴史の中の美人
  • 光明子は皇太后の未で、「紫微中台」という行政機関を作って政権を掌握した、則天武后的人物。
  • 孝謙天皇と藤原仲麻呂との愛人説には根拠がない。「水鏡」「神皇正当記」による捏造。
  • 「淀君」は蔑称か問題。「浅い茶々」が一番よい。
  • 西行の恋の相手が「待賢門院」という説は、トンデモ。