小熊英二「1968 下」(新曜社 )

図書館本。上巻同様にさわりだけ、ということで、、「結論」の章を読んだ。


全共闘」の功罪として。功としては「あさま山荘」の衝撃により「理想」の時代が終わり、日本人が高度消費社会に適合できたと、皮肉なものをあげている。罪のほうは、当事者の人たちに耳の痛いことをネチネチと。
それと、一章をさいて論じている著者の造語「1970年パラダイム」。豊かな日本社会で、存在しなくなったプロレタリアートのかわりに、左翼は、さまざまな社会的マイノリティを支援するようになった。
その「パラダイム」の耐用年数がすぎ、右傾化した現在に問題意識をつなぐ。