マイク・アシュリー「SF雑誌の歴史 パルプマガジンの饗宴」(東京創元社)

イギリスのSF研究家による、SF雑誌をとおしたSF史(1923の「アメージング・ストーリーズ」登場から、1950の「F&SF」「ギャラクシー」登場まで)

ガーンズバックには思いがけなかったかもしれないが、じきに知れたのは、サイエンス・フィクションのファンは大部分が、友達と一緒に冒険に興じるよりも、あれこれの想像を楽しむ、どちらかといえば孤独な子供たちだということだった。
そんな子供たち同士が、広いアメリカのどこかの都市や町で出会う見込みは、まずありそうになかった。だから、<アメージング・ストーリーズ>はすぐに、彼らにとってかけがえのない友人になり、その投書欄は普段友達や家族から変人扱いされている彼らが、それぞれの奔放な空想を語りあうことができる唯一の場とあった。
これこど、[[ガーンズバック]の<アメージング・ストーリーズ>が成功した本当の理由であり、サイエンス・フィクションの人気の秘密なのだ。