図書館本、読了。これは「奇書」。
著者は、長野に住み、独学でクマの研究をしながら、20年間、10匹のクマを飼育した人。(http://d.hatena.ne.jp/kokada_jnet/20041026#p2)
この本は、「クマが警告する」本ではなく、「クマを20年飼育した、宮沢正義氏」が、世の中に警告する!本である。
- イキナリ少年期の回想からはじまり、少年時代からクマが好きだった話。
- 終戦後スグの青年期に、あちこちのマタギを訪ね、民俗学的な聞き取り調査を行った話。
- クマを20年飼った苦労話。(あるクマのジャレ遊びが、ふとした弾みに「本気」になり、殺害せざるを得なかった状況も描かれている)
- 「享楽本位のハンター」主体の森林行政への批判
- 地元長野の自然破壊への批判
- 「地球のガン」である人間の生活行動への批判、及び、再生可能な社会への提言
- 日本の高齢化による、年金行政の破綻の防止策
- ゴミ問題の解決策
とまあ、「クマの警告」なんていうレベルではなく、宮沢氏が人生をかけて考えてきた内容が、脈略なく、盛りだくさんに積み込まれている本。