原三正「性神風景」(秋田書店 1967年刊)

県立図書館本、読了。書名から、あちこちの「性神」を訪ねて紹介する本かと予想したら、人類および日本人の「性神崇拝」全般を書いた本だった。
以下、章立てに従って内容紹介。

  • 生殖器崇拝
    • 三蔵法師が入竺した時、「外道天根を拝す、その高さ百尺」と述べたそうな
  • 太陽崇拝と生殖神
  • 西欧の生殖器崇拝
    • リンガ」とは梵語で象章のこと。転じて男根の意味になった。同じくヨーニは女陰を表す。
  • 礼記
  • 宗教と性
  • 初夜権
    • 王、貴族、領主、祭司などが初夜権を持つ例は、世界各地にみられる。
  • 仏教と性
    • ラマ教の僧侶は定まった妻をもたなかったので、性病がはびこり、人口減少甚だしかった。
  • ラマ教
  • 邪教立川流
  • 三大奇祭
  • 庚申と道祖神
  • 金精さまと陰歯
  • 性神群と性信仰
    • 堺市に陽形を瓦につけた鬼瓦があったが、戦災で焼けた。
  • 性の遺跡めぐり
    • 船乗りたちの愛用するものに「抱き人形」(別名:竹夫人)というものがあった。
    • 上野の不忍池の聖天島にある役行者像は、裏からみると男根形である。
    • 性コレクションは以降の場所。静岡県下田市・了仙寺。奈良、あやめが池の民俗博物館、川口湖畔の天野コレクションのある富士博物館、愛媛県の凸凹寺、別府の錦水園、秦野市鶴巻の黄庵コレクション。
  • 生物信仰と年中行事
  • 性的玩具と珍具
  • 女性と貝
  • マノフイカ
    • マノフイカとは「無花果の手」の意味で、こぶしを握って親指を中指と人差し指の間から出す形のこと。女陰または性交を示し、世界中で呪的力があるとされていた。
  • 花柳病
  • 性的人間像