武田雅哉「楊貴妃になりたかった男たち の文化史」(講談社選書メチエ ASIN:4062583798)

図書館本、読了。
武田雅哉、久々の快作。古代から現代まで、さまざまな理由で「女装した男たち」と、おまけ的に「男装した女たち」を、史書、小説などから総まくり。
「異性装した者たち」や、「奇抜な服装をした者たち」は、知識人や史書記入者からは「服妖」とよばれ、それは「妖怪・人妖」というカテゴリーの中に入り、「政治の乱れや天変地異の兆し」とされた。


女に化け、女がする料理裁縫などをマスターし、金持ちのうちの女中としてもぐりこんで、お嬢様を次々と犯していく、という「賊」の話が面白かった。この類の「賊」が連綿と続き、中には多数の弟子まで取っていたものもいたという。