浜井浩一+芹沢一也「犯罪不安社会 誰もが「不審者」? 」(光文社新書 ISBN:4334033814)

図書館本、読了。これは「必読書」だ。

  • 日本の治安は恐れるほど、悪化していない。刑務所は、「本来の犯罪者」よりも、不況で「たまたま犯罪をおかしたり、行き場のなくなった」身体&知的&精神障害者や老人、外国人などであふれている(「100円の盗難」や、「無意識の無断侵入」の、「説諭」レベルの内容でも、自宅や引受手がなければ「実刑化」され、刑務所行きとなる)。
  • 「少年犯罪」は、統計的には「低年齢化」していない。むしろ、不況と「大人化への圧力の低下」で、「高年齢化」している。(ヤンキーが「そろそろ、イイトシだし、半端してらんない」というのが遅れて、20代になっても「少年犯罪的」な犯罪をしている)
  • 子供の殺害も、統計的には減っているのだ。
  • 「ボランティア」等の「町守り運動」&「知らない人には口聞いちゃだめ教育」により、地域社会は逆にギスギスしたものになり、ホームレスや知的障害者、無職者を「不審者」扱いするものとなっている。その結果、彼らを「通報」するものが現れ、刑務所はますます、「本来の犯罪者」以外の人が収容される、悪循環となっている。