「SFマガジン」2006年8月号 「あの偉大なレムが死んだのに、世間はどうして誰も騒がないんだ」という、魂の叫び!

図書館本。部分的に読んだ。「スタニスワフ・レム追悼特集」が最大の目当て。
主要作品論も載っていて、どれも読み応えあるが、以下の言葉が心に刻まれた。

  • 沼野充義の追悼エッセイ
    • 「レムのあとにレムなし」「現代の世界文学の歴史は、明らかにレム以前とレム以後にわかれる」
    • レムは日本に好意と興味を持っており、「北方領土問題」や「阪神大震災」「地下鉄サリン事件」にも、強い興味を示していた。
  • 牧真司の「天の声」論中に引用された、冬樹蛉の文章
    • ファースト・コンタクトSFの極北には、「天の声」という旗がひるがえっている。そこにはこうかいてあるのだが。「ここから先はないよ」と。
  • 石川喬司の追悼エッセイ(大新聞の文化欄用に書き、「枚数はなはだオーバー」となったモノ。あのレムが死んだのだから、新聞も1面全部追悼エッセイに使うくらいしろよな!!)から
    • 小説としてのSFはグレッグ・イーガンの「ディアスポラ」のような大傑作を生み出しているが、世間は、レムの死にもSFにも、ほとんど興味を示さない。
    • レムの存在は欧米にはほとんど知られておらず、日本のほうが紹介が早かった。彼の存在が世界に広く知れ渡るきっかけとなったのが、1970年に日本で開催された「国際SFシンポジウム」である。
  • 西島大介の追悼コミックから!!!!! 酔っ払いキャラが。
    • 「偉大なレムが死んだってのにたいして話題にもなりゃしない。世間のやつらバカばっかりだ!」


あと、遅れて読んでいる連載、大橋博之「SF挿絵画家の系譜」第5回は、「柳柊二」。本名はなんと、「柳橋風有草」(やなぎばし・かぜうぐさ)というそうだ。

柳柊二怪奇画帖

柳柊二怪奇画帖