枡野浩一「結婚失格」(講談社 asin:4062137062)

図書館本、読了。


南Q太WIKI(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97Q%E5%A4%AA)から・・。

二度の離婚歴があり(最初の夫は漫画家のSABE・二人目の夫は歌人枡野浩一・三人目の夫は漫画家・安彦麻理絵の元夫で編集者の大塚正美)、二児の母親である。また再婚により、大塚と安彦との間に設けた子の親ともなった。


この、枡野と南の離婚時期の1年を、枡野側から描いた12編の短編小説集であり、またそれぞれが「書評」となっていて、対象の本は、枡野の現在の状況に「身につまされる」モノをセレクトしている。
とりあげられている本は・・。


中でも、枡野が感情移入してしまうのは、銀色夏生の本と、内田春菊の本であり、どちらも、仕事も子供も「女であること」も、すべて諦めない女性に、嫌われてしまった夫の悲劇なのだ。
(枡野は、内田春菊の2番目の夫である、大久保マネージャーに同情している)


この小説の内容が真実とすれば、枡野は「生理的に嫌われた」こと以外に、何の落ち度もない。
そのまま、「ドメステック・バイオレンス夫」と嘘の証言により訴訟される。それはさすがに南側が、断念し、「南側が200万払い、月に一度、実子には会わせる」との調停が成立する。
だが、南は、枡野と子供とを面会させる約束を果たさず、子供の幼稚園を変えてまで、彼が子供に会うことを阻止する。


2歳の時以来会っていない息子は、この本の執筆現在で5歳になっているという。彼には、枡野の記憶はほとんどないだろう。
南Q太も、非常にエキセントリックな女性であろう。
だが、そもそも、「こういう粘着質な小説を書いてしまう性格」が、男性的なキャラである南に嫌われたのでは、とも感じてしまうのである。


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