日下三蔵「日本SF全集・総解説」(早川書房 asin:4152088761)

図書館本。昨日借りてすぐ、一気に読了。
実際には存在しない架空の全集の解説本。構成は以下のとおり。


「第三世代」の作家までの短編集から好短編をセレクト、全長篇の内容紹介と、ブックガイドとしても素晴らしい作り。
でも、荒俣宏田中文雄は、第三世代に入れておいてほしかったなあ・・。


自分が、「現役のSFファン」だったのは、この後の「第四世代」(中井紀夫村田基草上仁橋元淳一郎柾悟郎瀬名秀明、あたりになるのかな・・。でも、この人たち以降は第○世代って、分類しにくくなるねえ)までにだが・・。
SFを夢中になって呼んでいた、中学・高校時代のノスタルジックな気分に戻れる一冊だった。
ホント、「かつてのSF」は素晴らしかったよ。今のSF作家の人たちも、頑張ってはいるんだけれど・・。


しかし、こうして「著作一覧」をまとめてもらうと、90年代以降の「SF冬の時代」は、やはり、ほとんどの作家が、SFの本を出せていないねえ・・。
他に職業がある人はいいが、たとえば岬兄悟なんか、どうやって生活しているのか、心配になってくるよ。


ガイド・ブックとしても最強で、「あ、これ読み落としている」「あ、この本はそんな話だったんだ、読みたいなあ」と、次々と読みたい本を、何冊もチェックしてしまった。
ちなみに、出版芸術社から全6巻で「日本SF全集」という題名の本が刊行予定だそうだが、これは現在の作家まで含めて、1作家1短編を集めたアンソロジーだそう。