渡辺和博「お父さんのネジ」(青林工藝舎 asin:4883792544)

図書館本、読了。昨年の死去後にあまれた「ベスト版」で、560ページの大著。


渡辺和博の漫画は、大学生の頃、単行本を1,2冊読んだのだが、当時は全然ピンとこなかった。
20年後に読むと、素晴らしいこと、素晴らしいこと。傑作の嵐。
登場人物が、ヤンキーやバイク好き青年(=渡辺)であることが多いので、「本好き少年」だった昔の自分には、駄目だったんだろう。


みうらじゅんや、根本敬の初期作品は、明らかに渡辺和博の影響を受けている。「毒電波」という、「電波から身を守るため」に、部屋中を覆っている人物が登場する作品もあるね。


巻末座談会(南伸坊みうらじゅんリリー・フランキー)でのみうらじゅんの発言によると、後輩から見ると「怖くて変な人」だったそうだ。みうらじゅんは初対面で「あなた皮かぶっているでしょ」と指摘され、しばらくして渡辺が著書『ホーケー文明のあけぼの』を刊行すると、表紙に長髪の男のイラストがあり、横に「みうら」と書かれていた、そうだ。
また、神足裕司は渡辺から五反田の町中で突然、「チンコ出したら! オレは平気だよ」と命令されたという。