水木しげる「河童の三平 貸本版 上下」(チクマ秀版社 asin:4805004622)

図書館本。今はなき、チクマ秀版社から出ていた貸本復刻版。本間正幸という人がプロデュースしている。


水木先生が売れっ子になってから書き直した版をちくま文庫で私は読んだのだが。こちらのオリジナル版は何というか、「三平の貧乏な暮らし」についての気迫が違う。のちの版の「抽象化された貧乏」とは違う、水木先生がリアルタイムで味わっていた「生きるか死ぬかの貧乏」からくる迫力が、絵にあふれている。
それと、上巻最後の「エンマ大王からの、三平の死のシナリオの郵便配達」の場面が、突然のアメコミ・タッチになって、それまでの絵柄と全然違う・・。その巻の末尾だから、水木先生も適当に描いたのかな。