伊藤明彦「未来からの遺言―ある被爆者体験の伝記」(青木書店 asin:B000J895HW)

図書館本、読了。
呉智英先生が紹介していた1980年刊行本。


著者は先日なくなった「被爆者の体験の録音作業」をライフワークとした人だが。
彼が出会った、実に印象的な「被爆者体験」を語るある男性。だが、調べてみると、彼の話にはあきらかな嘘があり・・だがその語り口は非常にリアルそのもの。
どこまで虚でどこまでは真なのか、伊藤にもわからなくなってくる。


伊藤はそれを、「被爆体験の民話化」として彼を「被爆太郎」と呼び、後に「シナリオ 被爆太郎伝説」という本も刊行している。