都筑道夫「都筑道夫のミステリイ指南」(講談社文庫 ISBN:4061847163)

図書館本。昨夜読了。
池袋コミュニティ・カレッジでの「エンタテイメント作法入門」という講座の内容を書籍化したもの。
わざわざ、伊勢原市立図書館から取り寄せてもらったが、「小説入門」としてはともかく、読み物としては面白いモノではなかった。


著者の大半のエッセイがそうなのだが、博覧強記で何でも知っているその様には「ははー」と平伏せざるを得ないのだが、まるで大学の先生が書いたエッセイのようで、ゆるやかな「遊び」のようなものがない。
それがたとえ「遊び心」について書いたエッセイでも、この著者の場合、異常に真剣な「遊び心」なので、息がつまるのだ。


で、結局、この本で一番面白かったのは、「文庫版後書き」の「著者がどのようにして作家になったか」という小文であり、これは私が一番好きな都筑本である「推理作家の出来るまで」のダイジェストに他ならないのだった。