小谷野敦・私小説ワールド主要登場人物一覧(暫定版)

  • 東大大学院(比較文学比較文化、ただし「悲望」では英文科)関係者
    • 主人公・藤井旭(悲望)=菰田崇(なんとなく、リベラル)=金井淳(童貞放浪記)=葉室充(黒髪の匂う女)=藤井(ミゼラブル・ハイスクール1978)=藤村敦(中島敦殺人事件)=藤井(グンはバスでウプサラへ行く)=川野篤史(僕のエメリタス)=アキラ(鴎たちのヴァンクーバー)=宇留野伊織(細雨)=藤井(紙屋のおじさん)=モデル・小谷野敦
    • 篁(たかむら)響子(悲望)
      • 大学院の1年先輩。お嬢様。歌舞伎と相撲とプロ野球が好き。主人公が執着する相手。カナダに留学して現地で研究生活を送る。
      • 「鴎たちのヴァンクーバー」では、伝聞中でしか、登場せず。
    • 林原淳子(悲望)
      • 響子の同期生。
    • 熊木さん(悲望)
      • 響子のさらに一年先輩の男性大学院生。響子たちにモーションをかけるが相手にされない。
    • 園田祐子(悲望)
      • 主人公と響子の仲をとりもつ、響子の同期生。イギリスに留学する。
    • 杉下柳太郎(悲望)=色川達也(黒髪の匂う女)=マゾエビツキー清川保(東海道五十一駅)=モデル・ヨコタ村上孝之
      • 響子の同期の大学院生。酒乱。育ちのいいグッド・バッド・ボーイ。主人公は響子の想い相手ではないかと推測する。
    • 朴さん(悲望)
      • 韓国から留学していた大学院生。
    • 呉さん(悲望)
      • 響子と一緒に大学院博士課程に進学。小谷野先生によると、下記の「呉さん」とは別人。尹相仁がモデル。
    • 呉さん(東海道五十一駅)=モデル・張競
    • 江国さん(悲望・童貞放浪記・鴎たちのヴァンクーバー)=江国桃子(黒髪の匂う女)=モデル・加藤百合
      • 主人公の同期の友人。主人公と同年に修士論文を朝日選書から刊行する。村松剛の弟子。
    • 梅田卯一(悲望・鴎たちのヴァンクーバー)=梅田(黒髪の匂う女)=モデル・松居竜五
      • 主人公の大学院の1年後輩。主人公の翌年に修士論文を朝日選書から刊行する。
    • 水沼貴治(悲望)=モデル・沼野充義
      • スラブ文学の俊英。
    • 水沼浪子(悲望)=モデル・沼野恭子
      • 水沼の妻の大学院生。篁響子らと同学年。主人公らを自宅に招く。
    • 北島萌(童貞放浪記)
      • 大学院の後輩。主人公と交際するが、主人公をふってアメリカに留学する。
    • 吉川さん(童貞放浪記)=吉川玲子(黒髪の匂う女・東海道五十一駅・僕のエメリタス・鴎たちのヴァンクーバー)=モデル・佐伯順子
      • 主人公の憧れの新進気鋭の女性学者。松波書店(=岩波書店)や後醍醐書店の論文集に寄稿。大名、吉川氏の末裔。
    • 菊池勝教授(悲望)=菊池教授(黒髪の匂う女・僕のエメリタス・鴎たちのヴァンクーバー)=吉川誠教授(中島敦殺人事件)=モデル・芳賀徹
      • 主人公の恩師。東大退官後、国際文化研究所(=国際日本文化研究センター)の教授に。「中立的な歴史教科書を作る会」理事。父親の菊池俊一郎(モデル:芳賀幸四郎)も学者。
    • 室田教授(悲望・東海道五十一駅・鴎たちのヴァンクーバー)=室田義雄教授(中島敦殺人事件)=室田先生(紙屋のおじさん)=モデル・平川祐弘
      • 同じ右翼ながら。大村教授が学術雑誌にのせた文章を攻撃する。ラフカディオ・ハーンを愛する。長女は主人公の大学院の後輩。
    • 大村教授(悲望・東海道五十一駅・鴎たちのヴァンクーバー)=大村吉太郎教授(中島敦殺人事件)=モデル・小堀桂一郎
      • 右翼の論客として知られる教授
    • 坂本教授(悲望・黒髪の匂う女・母子寮前・東海道五十一駅)モデル・川本皓嗣
      • 主人公の博士論文をなかなか読んでくれない主任教授。
    • 和泉原教授(悲望)=モデル・中野里皓史
      • 主人公の英文科時代の指導教官。54歳で亡くなる。
    • 杉村龍一(童貞放浪記)=モデル・三浦俊彦中村和恵(?)
      • 大学院の後輩。小説家としてもデビュー。
    • 保科豹一(黒髪の匂う女)=モデル・河竹登志夫
    • 若村蛍子(黒髪の匂う女・東海道五十一駅・紙屋のおじさん)=モデル・今橋映子
    • 若村桃子(黒髪の匂う女・東海道五十一駅)=モデル・今橋理子
    • 林さん=モデル・劉香織(鴎たちのヴァンクーバー)
      • 中国人女性。主人公と同年に修士論文を朝日選書から刊行する。
    • 小森さん(紙屋のおじさん)
      • 主人公の大学院の先輩の男性。60代で亡くなる。
    • 甘蔗生先生(さとうぶせんせい・紙屋のおじさん)=モデル・私市保彦
    • 江間裕子准教授(紙屋のおじさん)
    • 浦川さん(紙屋のおじさん)
  • 家族・親族(母子寮前、他)
      • 高卒。時計修理の技術者として定年退職。趣味は落語、詰将棋他。若い頃は小説家を志したこともある。
      • 主人公の一番の味方。中学を卒業し、銀行に勤務した後、結婚。のちに通信教育で高校を卒業。
      • 国立大学卒業後、関西在住。
    • 弟の妻
    • 母方の叔母(母の妹)
      • 母と親しく病院にも同行する。
    • 母方の叔父(母の弟)
    • 母方の伯父(母の兄)
      • 紙問屋の社長となった立志伝中の人物。80歳で亡くなる。
    • 最初の妻
      • 大阪大学の同僚。ロンドン留学中、彼女の母親の急病で急遽帰国する。
    • 現在の妻
      • 主人公の母の闘病中に結婚。
  • 東大・学部教養時代関係者(グンはバスでウプサラへ行く)
    • 太宰尚子(「悲望」にも登場)
      • 同級生。主人公が漠然と思いを寄せる女性。
    • 玉木淳秀=モデル・鈴木晃仁
      • 同級生。性格の悪い大奇人。
    • 原島剛司
      • 同級生。クラス一番の人気者。
  • 東大・学部時代・児童文学サークル関係者
    • 神宮寺淳子(悲望・お嬢様放浪記)
      • サークルに東大生の男を探しにきた私立女子大生。お嬢様。
  • 大阪大学関係者
    • 犀藤守教授(童貞放浪記)=尾藤教授(東海道五十一駅)
      • 主人公が入った年に定年になるシェイクスピア学者。山口/平木を主人公にけしかける。
    • 君田教授(童貞放浪記・東海道五十一駅)
    • 山口政樹助教授(童貞放浪記)=平木正紀助教授(東海道五十一駅)=W助教授(母子寮前)
      • 主人公より5歳上の酒乱の英文学者。
    • 黒瀬助教授(童貞放浪記、黒髪の匂う女、東海道五十一駅)
      • 主人公の英文科の同僚。
    • 朝原今日子助教授(童貞放浪記、東海道五十一駅)
      • 主人公より5歳上の美貌の持ち主。
    • 江原卓助教授(東海道五十一駅)
      • 主人公に好意的なドイツ語教師。田村正和に似た美男子。
    • ナスターシャー・マゾエビツキー清川助教授(東海道五十一駅)
    • 環牧子(東海道五十一駅)
      • 英語教室の秘書
    • 三田さん(東海道五十一駅)
      • 主人公同期赴任のフランス語教師。
    • 木下美花(東海道五十一駅)
      • 大学院生
  • カナダ留学関連
    • 迫水俊介教授(悲望・東海道五十一駅)=迫水教授(鴎たちのヴァンクーバー)=モデル・鶴田欣也
      • カナダUBCでの主人公の恩師。響子をカナダに招いた人物でもある。
    • 春藤奈保子(悲望・鴎たちのヴァンクーバー)=モデル・工藤美代子
      • 迫水教授の妻のノンフィクション作家。
    • ブレイマー助教授(悲望・鴎たちのヴァンクーバー)
    • ロストウ(悲望・鴎たちのヴァンクーバー)
      • 平安朝文学が専門の日本研究者。左翼・フェミニストポストモダン主義者で、主人公と対立する。また、ロストウのもとで日本語授業のTAもつとめたことも、さらに対立に拍車をかけた。
    • 室賀文雄(鴎たちのヴァンクーバー)
      • 日本語を教える教授。学問上の理由で主人公と対立。
    • 木村恵子(悲望・鴎たちのヴァンクーバー)
      • 主人公がカナダで知り合った友人。迫水教授のゼミに一緒に出席していた。私立女子大卒業。
    • 真野小夜子(鴎たちのヴァンクーバー)=モデル・佐野真由子
      • 英語の授業で知り合った、東大教養学部3年生の女性。のち大学准教授に。
    • 小室みゆき(鴎たちのヴァンクーバー)
      • T女子短期大学の学生で小夜子の親友。室田教授に非常勤でおそわったことがある。
    • 田中桃子(鴎たちのヴァンクーバー)
      • ロストウ・ブレイマーの授業に出ていた留学生。
    • クリステンセン(鴎たちのヴァンクーバー)
      • 大学院で日本文学を研究している北欧人の学生。
    • SI(悲望・鴎たちのヴァンクーバー)
      • 学生寮で友達になった韓国人。大学教授の父親をもち、半ば北米育ち。
    • ジーナ(鴎たちのヴァンクーバー)
      • 主人公がTAをしていた時に知り合った韓国人学生。
    • 厳さん(鴎たちのヴァンクーバー)
      • 学生寮で友達になった中国人留学生。
    • 荻原竹雄(鴎たちのヴァンクーバー)
      • 迫水教授の弟子。アメリカの大学で日本文学を教えている。
    • 加川康郎(通称ヤス・鴎たちのヴァンクーバー)
      • 学生寮で友達になった日本人留学生。天皇制反対を唱える。
    • ドーソン教授(鴎たちのヴァンクーバー)
    • 北川真知子(鴎たちのヴァンクーバー)
      • 慶応大学の大学院からの留学生。あまり上手くないがピアノを弾く。
    • 平塚美津子(鴎たちのヴァンクーバー)
  • カナダの大学に100人で交換留学生としてきた洛北社大学(=立命館大学)の学部の学生たち(鴎たちのヴァンクーバー)=「悲望」では「立命館大学
    • 米内輝元
      • 学部三年生。七歳下ながら、世間の価値観に染まることをいやがる性格でもあり、主人公の親友となる。九州出身。
    • 荒井良
    • 磯村弘明(ヒロ)
      • 英語の英才教育をうけている。英語の間投詞をしきりに発する。
    • 三上幸恵・村井マリア
      • 性的にアクテイブな女子大生コンビ。マリアは静岡出身で祖母は赤旗の熱心な読者。
    • 大城孝弘
      • 経済学部三年生。銀座の寿司屋の息子。女たらし風。父親の仕事を継ぐかもしれないと苦悩している。クラシック好きでもあり、フルートを吹く。短歌雑誌に所属していたため、主人公と「ながちゃん十首」を共作する。
    • 梶尾永子
      • SIが指導役になった英文科三年の生真面目な女性。主人公は性格を気に入り「ながちゃん十首」という短歌を作ることになる。
    • 佐藤真美
    • 丸山貴子(マルちゃん)
      • 100人の中で唯一TOEFLが580点を越えていた学生。
    • 浦部武(トト)
      • 髪の毛を立てたロッカー風の学生。エレキギターを弾く。我欲を悪だという思想があり。
    • 鹿賀みなみ
      • 神戸の商人の娘らしい、ジャズピアノを弾く学生。大学では軽音楽部。
    • 佐藤研
    • 宮本恵利
    • 秋山早紀
      • 大城がくどいた女子学生。
    • ユタカくん
      • 留学中に、日本人以外の学生と交流しようとしている学生。
  • その他
    • 後藤(悲望、ミゼラブル・ハイスクール1978、お嬢様放浪記)
      • 主人公の中学時代からの友人。池袋のR大学に進学。大学時代は蓮実重彦に熱中。
    • 右田(ミゼラブル・ハイスクール1978)
      • 主人公の中学時代からの友人。筒井康隆を薦めた。
    • 倉田昇(悲望)=モデル・宮田登(?)
      • 日本文化研究所の研究会で主人公と会った民俗学者
    • 有賀雅子(黒髪の匂う女)
      • 主人公の妻。渋谷の税理士事務所勤務。
    • 安房孝彦(黒髪の匂う女)=モデル・伊豆利彦
      • 漱石が反天皇の考えを持っていたと論じた大物教授
    • 群馬大学H先生(黒髪の匂う女)
    • 新藤保(黒髪の匂う女)=モデル・渡辺保
      • 歌舞伎批評家
    • 栗原環(黒髪の匂う女)=モデル・辻原登
      • 芥川賞作家。吉川さんの本から古典の中の黒髪について引用した作品「黒髪」を執筆。。
    • 棚橋先生
      • 古典学者。国際文化研究所の学会に主人公を招待。
    • 高木貴志(ミゼラブル・ハイスクール1978)
      • 高校時代に主人公をいじめまくった首謀者。後、九州の大学の教授に。
    • 黒澤みづき(東海道五十一駅)
    • 立山さん(鴎たちのヴァンクーバー)
      • 主人公の最初の本(福武書店刊行)の担当編集者。主人公に小説をかかないかと薦めるが、のちに退職。
    • 平岩たつみ(母子寮前・東海道五十一駅)=(?)黒島美香(鴎たちのヴァンクーバー)
      • 主人公が最初の本を出した際に接触してきたフリー編集者。主人公の博士論文の刊行を行う。
    • 西本先生(紙屋のおじさん)=西本晃二
    • 松元美也子(紙屋のおじさん)=モデル・村松真理子
      • 主人公の同期のイタリア文学者。のち東京大学教授。
  • <付録1>「なんとなく、リベラル」関係者
    • 岡村朋
      • 東大大学院卒の「なんとなく、リベラル」な主人公。
    • 呉泰俊=モデル・徐京植(?→小谷野先生は違うとのこと)
      • 主人公と結婚。雑誌『炬火』を岩田らと創刊(モデルは『前夜』(?))
    • 岩田重光教授=モデル・高橋哲哉(?→小谷野先生は違うとのこと)
    • 舵信行=モデル・加地伸行
    • 黒沢由美=モデル・小谷真理
    • 秋田甚内=モデル・山形浩生
    • 佐山リカ=モデル・香山リカ
  • <付録2>「美人作家は二度死ぬ」「中島敦殺人事件」関係者
    • 菊池涼子
    • 新井恵理子
      • 涼子の大学院の同期生。
    • 古藤田千鶴=モデル・安藤美保
      • 涼子の大学院の1年後輩。小説も執筆し五味川賞(=芥川賞)候補に
    • 田村八寿子助教
      • 涼子の指導教員。
    • 岡倉文雄(中島)
    • 竹藤原之助
      • 三十代の文藝評論家。
    • 倉橋毅
      • 主人公の友人の父。愛人との生活を描いた私小説『失寵』がベストセラーに。
    • 玉田正彦(美人)=モデル・島田雅彦
      • 美貌の作家
    • 市橋敦子(中島)
      • 藤村敦の思い人である美貌の東大・大学院生。
    • 山村岬=モデル・川村湊
      • 文藝評論家。用明大学教授。
    • 幡多峰子(中島)=モデル・佐多稲子
    • 清野登美子(六本木女子大学教授)・信夫達夫(白楽大助教授) (中島敦殺人事件)
    • 笹真知子(中島敦殺人事件)
      • 倉橋短大選任講師。32歳で著書『プラットフォームの文化史』を赤土社(=青土社)から刊行。
  • <付録3>「純文学の祭り」関係者
  • <付録4>「僕のエメリタス」(2013年にブログ発表。『グンはバスでウプサラへ行く 小谷野敦作品集(Kindle)』に収録)関係者
    • 上総大介=モデル・千葉雅也
      • 主人公。34歳。ポストモダン哲学者。東京大学大学院卒業。洛北舎大学(=立命館大学)「人間の幸福と安全学部」「文献・表象課程」准教授。茨城県出身で父は定年退職、母は元小学校教員。父母は茗溪大カルチェ・ラタン(=神田カルチェ・ラタン)で知り合った。イケメン。浅田彰東浩紀が帯を書いた著書『ポモは急に止まれない』(=『動きすぎてはいけない――ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』)をK書房(=河出書房新社)から刊行。
    • 天寺淳之助=モデル・國分功一郎
      • 37歳。やはりイケメンのポストモダン哲学者。三冊の著書あり。大介の親友。浅田彰に「退屈な優等生」と言われる。
    • 柏原美穂
      • 大介の交際相手。大学院の2年後輩。フランス文学者。首都圏の3つの大学の非常勤講師。愛媛県出身。
    • 蘭(あららぎ)規子=経歴のモデル・高桑法子
    • 平原真治教授。
      • 大介の同僚の日本古典文学者。
    • 高村幸吉
      • 西都新聞(=京都新聞?)の四十代の記者。
    • 鎌田安佐子
      • 西都新聞の三十歳前後の記者。
    • 吉川玲子=モデル・佐伯順子
      • 八重桜大学(=同志社大学)教授。東大大学院出身。日本文化史学者。菊池教授(=芳賀徹)が後ろだてのスター学者。蘭は「人たらし」と批判する。西都新聞の企画で大介と対談する。
    • 木下登=モデル・山口崇
      • 平賀源内役で知られる俳優。
    • 稀音家太一=モデル・杵屋巳津也
      • 木下登の息子の長唄唄方。蘭が憧れていた男。
    • 川野篤史=モデル・小谷野敦
      • 吉川玲子を批判して学会から葬られた。茗溪大学(中央大学?)教授。新幹線内で偶然、大介と出合う。私小説「南無や志度寺の」を発表。作中に「早野進」(作者自身)「作楽頼子」(=吉川)「緑川恭子」(=蘭)が登場する。
    • 御堂筋司
      • 大介の学問上の先輩。大介の本の書評を書く。