渡辺明「頭脳勝負 将棋の世界」(ちくま新書 asin:4480063927)

図書館本、読了。23歳で「竜王位」三連覇中の、若手将棋棋士が、「将棋を知らない人」に向けて、「将棋とはどんなゲームか」「将棋界について」「棋士の日常」「将棋の戦い方」「将棋の楽しみ方」などを、書いた本。
でも、私のように昔からの将棋ファンでも、楽しく読むことができた。それは、「将棋をまったく知らない人」を想定して書いているため、今までの将棋本や将棋雑誌にも出てこなかった、「渡辺明という棋士」の本音が、かかれているからだ。


たとえば、一局の将棋の中で、どのように集中力を上げ下げするかについて。あるいは、二日制のタイトル戦での、一日目の最後の指して「封じ手」をめぐる、損得勘定にについて。
そして、一番感動的だったのは、昨年の一番の「名局」だった、竜王戦三番勝負の「奇跡の妙手、7九銀」を発見した経緯について、詳しく書かれていることだ。


後半には将棋のルールや。観賞用の詰め将棋までついている。「将棋に興味はあるんだけど、将棋を知らない」という人には、是非、お奨めの本だ。