アンドレイ・ランコフ「民衆の北朝鮮」(花伝社 )

図書館本、読了。
ロシア人研究者による「もっとも成功したスターリン主義国家」北朝鮮の人々の日常生活の客観的で詳細な紹介。共産主義体制とその崩壊過程を見て来た人ならではの視点が光る。
北朝鮮の今後については、北朝鮮支配層が「自分たちの特権の維持」のみを優先し、民衆がいくら困窮しても痛痒を感じないことから、「改革」については悲観的な展望を。北朝鮮民衆へ国外情報を伝える活動や、在韓国の脱北者の支援活動などにより、徐々に北朝鮮民衆の考えを変えていくしかないと。
一つ、驚くべき記述が。71年に北朝鮮に留学したベトナム人男子学生は、北朝鮮女性と恋を。2人は結婚を熱望したが、「朝鮮民族の純潔政策」にはばまれ。彼はベトナムに帰国後、たびたび北朝鮮大使館に結婚したい旨を申請。
最終的に両国トップの判断で、2002年に、ふたりは50歳超えて結婚した。